広汎性発達障害(PDD)

広汎性発達障害(PDD) こうはんせいはったつしょうがい

広汎性発達障害とは、対人関係の困難、パターン化した行動や強いこだわりの症状がみられる障害の総称です。
これまでは、「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の3つの基準をもって「広汎性発達障害」と診断がなされていましたが、2013年に改訂されたDSM-5では広汎性発達障害の分類がなくなり、「自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症」という診断名に包括されました。 また、診断基準も「対人関係、コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の2つでの診断になりました。


広汎性発達障害のあるお子さまによく見られる行動リスト

  1. 幼児期(0歳〜小学校就学)
  2. 広汎性発達障害は発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳幼児では、その特徴となる症状が分かりにくい場合がほとんどです。ですから、生後すぐに広汎性発達障害の診断がでることはありません。 しかし、幼児期全体を通してみると、以下のような特徴的な行動をとっていたことが多いと言われています。

  3. 児童期(小学校就学〜卒業)
  4. 児童期には、主に小学校での集団生活や学習において、以下のような特徴が現れやすくなります。

  5. 思春期(小学校卒業〜)
  6. 中学生以降の思春期では、以下の様な特徴が現れやすくなります。


広汎性発達障害のあるお子さまとの接し方

  1. 声かけは短く、具体的に、ゆっくりと
  2. 遠回しな表現や代名詞や、「ちゃんと」などの抽象的な表現を使うと混乱する可能性があるため、「○○をします」など具体的に声掛けをしましょう。

  3. 取り組みやすい環境を準備
  4. 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)のお子さまは、聴覚や触覚などの感覚が過敏な場合があります。その場合、周囲の刺激が気になって活動に取り組みにくくなります。そのため、掲示物など、ものが少なく静かな環境を整える工夫をしましょう。 また、空間を目的ごとに区切って何をするのか明確に示すのも取り組みやすい環境の工夫の1つです。さらに、音声よりもイラストや写真で活動の手順が分かることや、活動の区切りが明確であることもお子さまによっては安心に繋がる1つの工夫と言えるでしょう。

  5. 興味関心を広げる関わりを
  6. 興味関心を広げるために、そのお子さまが熱中しているものを取り上げるのではなく、「○○もやってみよう」と見本を見せるなどして誘ってみるとよいでしょう。もちろん無理強いはせずに、少しずつ取り組んでいくことがポイントです。

  7. 興味関心をいかした学びを
  8. 興味関心が限定的なお子さまには、その興味関心を取り入れることも1つです。例えばゲームが好きなお子さまにはプリント1枚ごとに1ポイント!とゲーム形式にしてみることでお子さまが取り組みやすくなります。

  9. パニックには冷静に
  10. お子さまがパニックになったときには、指示を出しても声をかけても落ち着くのは難しいです。静かで刺激のない場所に連れていくなど安全を確保した上で、冷静に関わるようにしましょう。


2020年04月07日 原稿作成:比嘉みちよ

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